診断:2013年2月
東西平均アノマリ:緯度-高度
- 先月に引き続き北半球高緯度で正のO3アノマリ
- 北半球中緯度では下部成層圏から対流圏下層へのオゾン輸送増大(水蒸気負アノマリにも対応)も同様。
- COは30度以下低緯度の負アノマリはOH変動とも対応するが、バイオマス燃焼エミッションの年々変動の寄与大。
- 熱帯域下部成層圏のCOに正アノマリ(BVOCs増加に対応か?)は先月同様。
- OHは熱帯域〜北半球で正のアノマリを示す。
- BCはアジアからの流れだしで、北半球中緯度で正アノマリ(北太平洋)。
※上の図で、カラーはオゾン(ppbv)(コンター線は水蒸気アノマリ)、CO/CH4(ppbv)(コンター線はOHアノマリ)、およびBC(μg m-3)について示す(矢羽は東西平均循環アノマリ)。なお、横軸・縦軸は、それぞれ緯度・高度(hPa)を示す。
濃度アノマリ:地表
- オゾン/CO
- ・ロシア〜太平洋のO3アノマリがO3s(成層圏起源オゾン)アノマリと対応している。高気圧が広がり、下降流によって成層圏からo3が運ばれるためだと考えられる。
- 北極域周辺の高気圧アノマリはさらに発達し、北太平洋でO3増加アノマリがみられる。
- O3アノマリに対応して、COアノマリの水平パターンが形成されている(東アジア域でCO減少)
- 中国や北米のNOx濃度は平年より低め。
※以下の図で、カラーは、オゾン・COアノマリ(ppbv)を、等値線は地表気圧アノマリを、矢羽は地表風速場アノマリをそれぞれ示す。
- エアロゾル
- 中国中〜北部では、SO4/NO3ともに減少(気象場影響の可能性が濃い)
- インド〜バングラの南アジアで、BC/OC増加
- OC増加については、SOAの寄与増加も確認
- アフリカ〜大西洋のPM25変動は、ダスト輸送の変動の寄与も大きい。
※以下の図で、カラーは、PM2.5、硫酸塩(SO42-)、硝酸塩(NO3-)(μg m-3)を、等値線は地表気圧アノマリを、矢羽は地表風速場アノマリをそれぞれ示す。