診断:2014年12月
東西平均アノマリ:緯度-高度
- COは先月と同様に、20°S〜赤道で正偏差が継続
- BCは下層で減少、自由対流圏で正偏差
- 中国域のBCが西風偏差によって輸送されながら、上方輸送された模様
- BCは北極域でも正偏差(アジア起源のBCの寄与増加の可能性も)
- O3は、赤道域で減少、中高緯度で増加(成層圏起源O3も顕著な正偏差)
- OHは、赤道〜40°Sで正偏差
※上の図で、カラーはオゾン(ppbv)(コンター線は水蒸気アノマリ)、CO/CH4(ppbv)(コンター線はOHアノマリ)、およびBC(μg m-3)について示す(矢羽は東西平均循環アノマリ)。なお、横軸・縦軸は、それぞれ緯度・高度(hPa)を示す。
濃度アノマリ:地表
オゾン/CO/NOx
- 中国域でCOに強い負偏差(>50ppbv):エアロゾル成分も同様
- 中国への北風偏差と、西風偏差による太平洋への流出量増加とみられる
- COは北米でも正偏差(高気圧偏差の影響)
- オゾンは、太平洋の高気圧偏差パターンの東端で、正アノマリ(>4ppbv):成層圏起源O3は1〜2ppbvの寄与
- 中東を中心に大陸上でO3正偏差(成層圏起源O3の寄与大)
- 赤道域太平洋でO3正偏差(循環・対流の変化か)
- NOxは中国域・北欧で負偏差(中国域では、2ppbv以上の負偏差)
※以下の図で、カラーは、オゾン・COアノマリ(ppbv)を、等値線は地表気圧アノマリを、矢羽は地表風速場アノマリをそれぞれ示す。
エアロゾル
- 中国域で、10μg/m3以上の強い負偏差(上記CO偏差と同様の構造)
- 今月は、OCにくらべて硫酸塩(+硝酸塩)の変動の寄与が卓越
※以下の図で、カラーは、PM2.5、硫酸塩(SO42-)、硝酸塩(NO3-)(μg m-3)を、等値線は地表気圧アノマリを、矢羽は地表風速場アノマリをそれぞれ示す。